乳 頭 山
個人山行(テレマーク,山スキー)
【日時】2016年4月16日(土)
【メンバー】T,YY,長老Y,M
【天候】 曇り時々晴れ
【山域】 秋田駒ケ岳
【地形図】秋田駒ケ岳
【実録時間】孫六温泉駐車場(標高785m)08:31 − 乳頭山登山口08:41 − 標高940mピーク09:24 − 田代平山荘(標高1275m)10:47 − 山頂(標高1478m)11:15〜11:55 − 田代平山荘12:01 <昼の憩い>
13:09 − 標高940mピーク13:24 − 乳頭山登山口13:53 − 駐車場14:21
久しぶりに深夜新潟発のフェリーで東北に突撃である.
東北は秋田駒ケ岳に連なる乳頭山に向かう.
雪があるか不安である.
道中の山にも雪はない.
登山口近くのスキー場にも雪がない.
例年の5月の連休よりも雪が少なく見える.
それでも,乳頭温泉郷近くになると道路脇にも雪が出てくる.
夏道を少し歩けば雪に乗れるだろう.
数台置ける駐車場に車を置き,ザックにスキーを付けて歩き出す.
【孫六温泉駐車場】
10分も歩くと孫六温泉にある登山口に着く.
歩き出すとすぐに夏道は雪の下となる.(下の写真左側の雪斜面をトラバースする.)
【乳頭山登山口】
ここでスキーを履いても登れそうだが,せっかくザックにスキーを付けたので,尾根に上がるまでそのままつぼ足で直登する.
ガリガリでもなく,緩みすぎてもいない歩きやすい雪だ.
【夏道は雪の下】
すぐに緩やかな尾根に出て,スキーをセットする.
先行のつぼ足トレースが付いている.
新しい雪が2cm程度積もっていて,雪面は真っ白で綺麗なままだ.
積雪は少ないが,森の小枝は邪魔にならない.
快適に登ることができる.
【尾根に上がったところ:標高850m付近】
標高940mのピークから標高差で20m程度シールのまま滑って下る.
帰りには唯一登り返しとなるところだ.
【標高1020m付近】
ここからはしばらくブナの森を歩く.
大きなブナはないが,すっきりとした林が続く.
【標高1120m付近】
標高1100mくらいにちょっとしたこぶ斜面があり,それを巻くと幾分尾根が集約される.
そして,若いブナの林となる.
ゆるゆると登っていく.
時折日が差す.
【1178m標高点付近】
標高1150m付近からオオシラビソが出てくる.
特有の甘酸っぱい匂いを嗅ぎながら登る.
そのオオシラビソの背が次第に低くなってくると田代平が近い.
傾斜が緩み,乳頭山の山頂が見えると田代平の一角に出る.
夏には木道が敷かれているのだろう.
【田代平(標高1270m夏道分岐点付近)から山頂(中央奥のピーク)】
田代平に出るとすぐに田代平山荘が見えてくる.
ここから山頂へは近い.
田代平山荘からは明瞭な尾根を登る.
一部クラックが入り始めている.
その尾根も標高1340m付近で傾斜が緩むと一気に斜面が大きく広がる.
どこでも登り放題である.
【田代平山荘先の尾根(標高1340m付近)から山頂】
その尾根の先は風で飛ばされたのだろう,それまでの新しい雪が積もっていなくてざらめの斜面が続いている.
その代わりに斜面から出ているオオシラビソや灌木にはエビのしっぽができていて綺麗だ.
【山頂直下】
山頂直下まで,灌木の間を縫ってなんとか登る.
夏道に出ると雪が切れている.
スキーはここまでだ.
【夏道に出たところ】
山頂は溶岩が冷え固まった節理が大きくうねって南東側に切れ落ちている.
火山の山は迫力満点である.
視界はあまりないが,南西側には秋田駒ケ岳,岩手山が北東側に確認できる.
【山頂(右奥は秋田駒ケ岳)】
【山頂から秋田駒ケ岳】
風はないが日が差さないと寒い.
雲も段々その厚さを増してきているようだ.
昼の憩いは田代平山荘に戻ってからにしよう.
時間はまだ早い.
山頂の灌木帯を抜けると快適なざらめ斜面が広がる.
なんちゃってテレマークで快適に滑る.
田代平山荘の先の尾根を登り切った付近をつぼ足登山者が一人で登ってくる.
ちょうどその辺りから積もったばかりの綺麗な雪になる.
この雪が,滑らない.
それまでのざらめ雪が良く滑ったので,突然のストップ雪との落差が大きい.
いいところを見せようと,すけべ心を出す前に前方3回転をこらえるのが精いっぱいであった.
2月厳冬期の田代平山荘も寒かったが,今日の田代山荘も中は寒い.
風が無いので外のほうがよほど快適だ.
素早くテーブルをセットして昼の憩いに突入する.
【田代平山荘】
帰りのスキーは早い.
木の間隔も適当にあって,斜面もちょうどいい.
森の小枝も邪魔にならない.
【標高940mピークへの登り返し:3D】
標高940mピークを登り返し,孫六温泉の登山口近くまで最後の一滑りだ.
駐車場まで戻る間に家族連れの温泉客とすれ違う.
我々も温泉に急がねばならない.
鶴の湯に急がねばならない.
何だかわからないが急いで良かった.
日帰り入浴客は午後3時までなのであった.
久しぶりのフェリー東北突撃作戦は無事終了した.
心配していた雪もなんとかあった.
長老Y顧問も山頂直下に立てた.
YY隊員も山スキーを十分楽しめただろう.
新しいスキーセットも活躍できてなによりだ.
鶴の湯にも無事入れた.これを書いているときも,まだ硫黄の匂いがしている.
【CAUTION!以降は山とは直接の関係はありません.各自の責任によって読んでください.】
後は秋田市に戻って,夜の反省会を挙行するだけだ.
ここで,新たなる提言がなされた.
武家屋敷で有名な角館(今は仙北市)から秋田市に向かう途中,YY隊員が「この辺の家には「雨どい」がない.これはいかに!」と問題提起がなされたのである.
言われる通り,確かに雨どいがない.
車窓から見る家々には本当に雨どいがない!
それからというもの,雨どいが気になってしょうがない.
秋田市での夜の反省会がこの提言への研究会となったことは言うまでもない.
雨どいがないと雨が降るたびに屋根から集まった雨が大量のしずくとなって落ちてきて不快ではないのだろうか.
寒いところなので,雪は降っても雨は降らない?
寒いところなので,雨が降ってもすぐに凍って落ちてこない?
角館は武家屋敷が観光の目玉なので,景観条例により一般の民家も武家屋敷にならって雨どいを付けてはならない?
迷惑行為防止条例により風が吹いた時の雨どいによって発生するカルマン渦による騒音を規制するため?
良く知られているように,小学生の学力テストでいつも優秀な成績を収めている秋田県では国語や算数に力を入れるばかり,理科・社会の授業で雨どいの機能について教えることがおろそかになっている?
雨どいそのものの存在を知らない?
コメリホームセンターで雨どいが売られていない?
等々合理的な理由があげられるが,今後の研究成果が待たれるところだ.
ここは,理科学研究所において秋田県の一部地域で雨どいがない理由を科学的に究明し,STAP細胞の論文と差し替えてもらいたい.
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