大花山

個人山行

【日時】2014329日(土)

【メンバー】山スキー突撃隊M

【天候】 快晴

【山域】 小国

【地形図】 長者原

【実録時間】 小玉川公民館(標高300m)7:38 - 展望台 7:57    樽口峠8:08 - P591m標高点 8:28 - P705m下 8:45 - 744m標高点 9:03 - 山頂(標高786m) 9:329:49 - 744m標高点 10:10 - P705m下 10:20 -  樽口峠 10:34 -  展望台 10:41    小玉川公民館 10:45


先々週の阿寺山は,景色も雄大で斜度もスキーには最高であった.特に上部は雪も良くて大いに楽しめた.が…しかし,終始そこいら中にトレースが付いているところを歩き,滑る.いささか足垢にまみれている.

今週末の天気占いでは,土曜日は晴れるが日曜日は雨らしい.土曜日はアウェーではあるがアルビレックスとセレッソとの対戦がある.速攻で帰ってからライブで見られる山がいいだろう.ここは2度にわたる途中敗退で,いまだ山頂を踏んでいないおそらく誰もいない静かな大花山が頭に浮かぶ.2か所ある細尾根の雪がつながっているかわからないが,再々突撃である.

小玉川公民館に到着すると,1台駐車してあり,既に出発した後のようだ.

支度を整え,田んぼから雑木林に取り付くと,あれほどあった雪もさすがに少なくなっていて,小枝が跳ね上がっていて少々邪魔だ.先行者は,かんじきも付けていない完全つぼ足隊のようだ.

わらび園に入ってもところどころ雪が切れている.その地面が出ているところには,ふきのとうが出ている.春である.


【展望台付近を歩く散歩隊】

展望台の先で先行隊とちょっと離れてクロスする.完全つぼ足隊は,どうやら大花山には行かずにわらび園あたりを散策しているようだ.

樽口峠に続く道からは,これから登る705mピークと591m標高点ピークが見えるが,591m標高点ピークの付近が黒々としている.はたして雪はつながっているのだろうか.


705mピーク(左上)と591m標高点ピーク(右下)】

樽口峠から杉林に入ると,落ちた枝や葉で雪面が汚れている.その杉林もすぐに終わり,灌木の開けた尾根となる.先週のトレースであろうか,歩いた跡が続いている.


【樽口峠から杉林を抜けた尾根:3D

気分良く登っていると,591mピークへ至る尾根が細くなる手前にちょっとだけ急になるところがあるが,そこの雪が割れている.どう見てもシールで上がれそうもないので,板を外して登る.が,板を外してもなかなか手強い.雪がぐさぐさのうえに出ている枝が皆,下に向いていてテレ靴では踏ん張りがきかない.それでも,スキーを手掛かりにへばりつくようにしてなんとか這い上がる.


【ここで板を外す.】

その先も雪の状態が分からないので,スキーを手に持って歩く,やはり細尾根の始まりのところも雪が切れている.その先でようやく板を履き直す.どうやら,この先は雪がつながっているようだ.


591m標高点手前のやせ尾根:3D

細尾根は591m標高点ピークの手前とそのピークと705mピークの鞍部の一部だけである.705mピーク手前の細尾根は問題なく雪が残っている.

ブナの幹越しに本日の目標,大花山山頂が見える.まだまだ遠い.


【奥が大花山頂上】

705mピーク手前は,なかなか急である.適当に尾根を登っていると,シュルントに行く手を阻まれる.少し戻って右側から登り返そうかとも思ったが,わずかにつながったところを綱渡りのようにやり過ごす.少々緊張する.良い子はまねをしてはいけない.


705m手前の尾根】

705mピークへは登らず,ぐさぐさに腐った雪の急斜面をトラバースして鞍部に出る.トラバースは好きではないが,正解であった.705mピークから下る尾根の斜面は黒々として雪が付いていない.前回危険が危なそうでやめたところである.ここは,スキーには厳しいようである.


705mピーク下をトラバース】

ただし,新雪時はここのトラバースは雪崩リスクが大きすぎる.無謀というものである.悪い子でもまねはできない.どうやら厳冬期の大花山はスキーには難しいようだ.もっとも厳冬期でなくてもスキーで登る人はいないような気がするが.


705mピーク】

705mピークの先にはもう難しいところは無い.快適な散歩道がずっと続く.振り向けば,飯豊本山から地神山まで真っ白な山体がすぐそこにあるように見える.登ったり下ったりを繰り返しながら適当に歩く.ただし,東側にはところどころ雪庇ができていて,隠れたシュルントがいたるところにある.はまらないように気を付けないといけない.

744m標高点ピークへ続く尾根


744m標高点ピークへ続く尾根:3D

744m標高点ピークは巻こうと思っていたが,地図を見ないで適当に歩いてきたので,知らないうちに744m標高点ピークまで登ってしまう.もっとも東側には大きな雪堤の壁があって,ここは巻かないで普通にピークを踏んだほうがいいようだ.


744m標高点ピーク

744m標高点ピークからも下ったり登ったりを繰り返して少しずつ山頂に近付く.ざらめ雪で,シールでも意外に良く滑る.山頂近くの東側は刈り払いでもしたかのように木がまばらで明るく大きく開けた斜面が広がっている.


山頂へ続く尾根

遠目には山頂手前が急に見えたが,そんなところはない.ただ,山頂に近付くにつれて尾根が狭くなってくる.大きくうねって雪庇もできている.

見晴らしは利かないが一番高いところに至る.地図を見ると三角点のある山頂はもっと北側である.大きくうねった尾根の先に見える雪庇のあたりが山頂のようだ.スキーは楽しめそうもないが,ここは山頂を踏まねばならない.何しろ3回目の突撃なのである.


奥の雪庇が三角点のある山頂

山頂は北側がすとんと切れ落ちていて,あまりなじみのない山形の山々が北から東にかけて広がっている,反対側には真っ白な飯豊の山並みが見晴らせる.素晴らしい展望だ.地図のとおり,三角点が一番高いところではなくて,少し下ったここにある訳である.

悠峰山の会雪靴隊が付けた赤テープを回収しようとしたが,手が届きそうもなくあきらめる.


山頂から地紙山

山頂からシールを付けたまま,一番高いところに戻る.シールをそこではがし,いよいよ滑りである.が,滑ったと思うとすぐに登り返しが待っている.なにしろ山頂と705mピークとの標高差は81mしかなく,その間に744m標高点ピークがあるのである.滑るというよりも気分的には登り返すのである.

そのままシールを付けずに歩いたが,今日はシールでもそれなりに滑ったので,普通の板ならば705mピークまでシールを付けたままでもいいのかもしれない.


【山頂下の鞍部:3D

それでも744m標高点ピークまでくれば,もう大した登り返しはない.雪もざらめで,良く滑り,楽しい尾根滑りが続く.

705mピークは帰りも当然下を巻いて行く.登りのトラバースで苦労したザクザク雪でも下りのスキーでは全く気にすることもなく快適に滑ることができる.


705mピーク下】

細尾根も帰りの滑りでは難しいところは無い.591m標高点が最後の登り返しだ.


591m標高点ピークへの尾根】

591m標高点ピーク下の登りで板を外したところも何とかずり落ちながらそのままスキーを履いたまま下る.

灌木帯をわずかに滑り,杉林を抜けると樽口峠である.そこからわらび園まで途中わずかに登る感じで水平移動すると展望台に出る.


【わらび園へ続く道路から差岳

わらび園監視小屋の北側に今まで気付かなかった何かがあるので,近付いて見ると飯豊連峰の展望盤が鎮座していた.展望盤どおりに飯豊が広がっている.


【わらび園にある展望盤】

後は,わらび園を滑って降りるだけである.良く滑るざらめ雪に突然ストップ雪が現れ,思わず前方2回転しそうになる.油断はできない.

一旦道路に出て,杉林から雑木林を抜けると小玉川公民館である.まだ,11時前である.狙いどおり,余裕で午後2時開始の試合を自宅で見ることができた.


【小玉川公民館】

小玉川のあたりでも上の写真のとおり,それなりに雪があるが,山は既に春である.今回,板を外したのは登りでなんとか1回だけだったが,急な斜面では雪割れが急速に進んでいる.今シーズンは今回が最後の機会だったようだ.快晴の下,ようやく大花山に立つことができた.何か,やり残した宿題を終えた気分がする.


-------- : 登り

-------- : 下り