守門黒姫(なんちゃってテレマーク)
会山行
【日時】2011年4月10日(日)
【メンバー】5名(スノーシュー3名・山スキー1名・なんちゃってテレマーク1名)+ゲスト1名(山スキー)
【天候】 晴れ
【山域】 守門
【地形図】 守門岳
【実録時間】 浅草大橋先(標高500m)08:03 − 林道終点(標高575m)08:24 − 下黒姫沢(標高670m)小休止 09:08〜09:13 − 1050m台地(大休止)10:04~10:25 − 標高1275m稜線鞍部 11:05 − 山頂11:25~11:39 − 標高1275m稜線鞍部 <昼の憩い> 11:52~13:19 − 標高905m台地(大休止) 13:34~14:07 − 下黒姫沢(標高670m)小休止14:17~14:33 − 林道終点14:55~15:02 − 取り付き 15:14
先月3月11日発生の東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方のご冥福をお祈りします.また,被災された皆様とその家族の方々にお見舞い申し上げます.
実は約一月前の3月13日(日)に守門黒姫に突撃する予定であったが金曜日に発生の大震災により中止となった.
それから一月が過ぎ救助活動から復興へと進むべきところ,先行きがはっきりしないうえに日本中で自粛がはびこり,何もかも縮こまってしまっては肝心の被災者の復興もままならないだろう.ここは,いつもの生活に戻ることが,まず復興への第一歩である!ということで,天気も良いし,守門黒姫にRe突撃である.
取り付きの県道には既に5・6台の先行者の車が駐車してある.去年より約1カ月遅いが雪の量は,そのときよりも多い.林道へと続く破間川にかかる橋の上には雪がてんこ盛りである.更に雪は以外にも黄砂などで汚れておらず白いままだ.
しばらくは林道を歩くが,20分もすると林道も終わり,帰りの登り返しを考え,トラバース気味に小黒姫沢に滑り降りる.後続の歩き隊を待つ間にここでスキーにシールを付ける.ここでも雪が多く,沢床は平坦で実に歩きやすい.このくらいであれば,シールなしでも尾根に取り付くまでは大丈夫であった.
歩き始めて1時間くらいで先行の3人パーティーが左岸側の尾根へ沢から取り付いているのが見える.その尾根の取り付きで我々は小休止をする.そこが標高670m地点である.普通は,更に小黒姫沢を詰めて行くが,ここから登ったほうがブナの林がより楽しめるのだ.
【小黒姫沢から左岸側尾根への取り付き点(標高670m)から望む1221m標高点】
先行するその3人パーティーには標高900m付近で追いつく.以外にも若人3人である.頼もしい(うらやましい)限りである.標高900mの先には結構な急斜面がたちはだかる.ここは,向かって右手の尾根に取り付き,ジグを切りながら登る.
今日は,隊員のたっての「山頂に行くある.」宣言によりいつもの通称「小黒姫」ではなくて,守門黒姫本峰に行くつもりなので,この辺りからトラバース気味に登り,山頂手前の稜線へ出るルートを考えていたが,歩き隊の要望及び雪の状態から,1050m台地(広く開けたところで,勝手に名前を付けています.)まで上がってからトラバースすることにする.
【1050m台地へ続く標高1030m付近の尾根(この尾根の南西側にスキーに楽しい急斜面が広がっている.)】
1050m台地のへりで,本日2回目の小休止をとり,後続を待つ.ここからは,1050m台地のへりに沿って高度をそれほど上げずに徐々にトラバースしながら,小黒姫と山頂稜線の鞍部を目指す.歩き隊は,トラバースを避けるため一旦下り,直登気味に鞍部を目指す.
【1050m台地のへりを行く.】
見上げると周りは雪だらけ,ところどころにブナがあるだけの大斜面が屏風のように東西に広がり,圧倒される.
ここからは雪で埋まった沢を大きく適当に高度を落とさないように巻いてトラバースしながら白い屏風の稜線を目指す.小黒姫直下の急斜面に取り付く先行者が数名遠くに数名見える.1320m標高点の稜線ピークの下あたりの急斜面は,前日の雨で緩み,谷足を踏み出すたびにズリズリと雪崩落ちてゆき,歩きにくいことおびただしい.それでも,狙い通り1320m標高点ピークと山頂の間の稜線鞍部(標高1275m)に出る.
ここから見る守門袴腰(本峰袴岳は,写真中央奥)のピークが素晴らしい.
【通称「小黒姫」から山頂へ伸びる稜線(標高1275m)に出たところ】
ここからは,山頂へ続く稜線をいくつかの登り返しを交えながら山頂に至る.右手には滑らない早坂尾根を北にきれいに伸ばす浅草岳が素晴らしい.稜線に出てから意外と遠い山頂に徐々に近づくと,そこは茫洋と広がったドーム状の高まりで,まるで守門の大岳のようである.
【山頂から望む川内の山々(写真中央は矢筈岳)】
北に目を転じると,川内山塊の核心部が広がっている.晴れてはいるが霞がかかり,視界はそれほどないが,懐かしい矢筈岳,青里岳が確認できる.
【山頂から望む守門岳(最奥が袴岳,一番高く見えるピークは袴腰),稜線の一番低いところが標高1275m鞍部:3D】
残念ながら,山頂は南寄りの風が少しあり,隊員1名が遅れていることもあり,すぐにシールを外し,風のないところまで戻って昼の憩いとする.雪はざらめになりかけだが,汚れておらず良く滑って快適だ.ちょうど標高1275m稜線鞍部の付近で遅れていた隊員と合流できたので,風のない稜線北側に穴を少し掘り,テーブルをセットして烏帽子岳を正面に眺めながら昼の憩いを楽しむ.
【山頂に続く稜線(標高1280m),このすぐ下が1275m稜線鞍部】
昼の憩いも終わり,あとは帰るだけ.鞍部から帰るとトラバースとなるので,一旦1328m標高点のピークまで登って,1050m台地を目指そうと思っていたが,昼の憩い後は,そんな気力ははるか銀河系のかなたに消え失せ,そのままなるべく高度を落とさないようにたらたらと1050m台地に滑りこむ.この辺りにくると,先行者のトレースだらけで,自分が滑った跡がわからないくらいだ.
【1050m台地から望む稜線(どこでも滑り放題)】
【1050m台地下の斜面のスキー曼荼羅,登りは写真右側の尾根を行く.】
平らに見える1050m台地もスキーだとあっという間に通り過ぎ,そこに続く本日1番の急斜面にそのまま滑りこむ.先行者のトレースだらけだが,新たなズリズリ雪崩を起こしながら急斜面下の標高900mの平坦地下で歩き隊を待つ.
【標高800m付近のブナ林】
実は,ここから小黒姫沢までの斜面が,なんちゃってテレマークには最高に楽しい.開けた大きなブナの間を滑り抜ける楽しみならここである.
【大量の雪で埋まった小黒姫沢(標高670m)】
尾根に取り付いた小黒姫沢の沢床で後続を待ちつつ,ここで大休止.あとは沢を滑って,林道への登り返しが待っているが,雪が多いせいもあり,うろこ板なのでシールなしでも楽に登り返すどころか,ちょっと上に行きすぎ,林道まで滑り降りる.最後に破間川にかかる橋を渡って,僅かに登り返して取り付きに戻る.
【橋を渡って,僅かに登り返すと県道の取り付き.いまだ橋には雪がてんこ盛り.】
守門黒姫には過去に6回来ているが,こんなに雪が多いのは初めてだ.しかももう4月の中頃である.雪はざらめになりかけで良く滑り,しかもこの時期なのに十分綺麗でスキーのソールもそれほど汚れていない.
大震災から約1カ月山から遠ざかっていたが,今日は十分楽しませてもらった.念願の山頂にも立ち,そこから広がる川内の山並みも見ることができた.ただし,スキーを楽しむならば小黒姫までで十分だろう.
登路 --------- 降路