ナルミズ沢

会山行ku-ninn33
【日時】2007年9月23-24日(日・祝)
【メンバー】4人
【天候】曇り/ガス
【山域】谷川連峰
【地形図】茂倉岳
【時間記録】
<9/23>宝川温泉ゲート8:45 − 林道終点9:32〜9:37 − 渡渉点10:29〜10:50 − ウツボギ沢11:12 − 大石沢12:11〜12:28 − 二股13:25 − 源頭草地テン場14:11
<9/24>テン場7:30 − 稜線7:46 − ジャンクションピーク8:46〜9:20 − 朝日岳9:33 −大石沢10:56 − ウツボギ沢12:06〜13:45 − 渡渉点13:58 − 林道14:45 − 車15:28


 谷川連峰に初級者用の美しい沢があるということで計画をしてみた。天気はというと前日まで晴れで、連休は曇りベースの予報だった。宝川温泉から奥の林道を行く。ゲート前には数台でいっぱいになっており、林道脇になんとか止めることができる。関東で人気の沢らしい。

 林道を行き、終点からはトラバースの緩いアップダウンの山道を行く。途中、2パーティーとすれ違う。今回は下山で使う登山道のぬかるみがひどいらしい…ので、山道は長靴で歩くことにした。4人のうち2人が長靴、1人が軽登山靴、そして1人がサンダル履きの出で立ちだった。関東の人たちにはどのように映ったのだろうか。枯れ木に目をやれば、ツキヨダケ(それも巨大)がびっしり!!キノコの季節到来を実感した。

 渡渉点で沢装備となり入渓する。水は思ったより冷たくない。まとまった雨も降っていないせいか、水量は少なく感じる。ゴーロとナメ滝群が続く。すぐにウツボギ沢出合。ここにはテン場に最適な台地があり、今回も大きなテントがすでに張られていた。



<大石沢出合の大きな釜を持つ滝>



<ナメ滝が続く>

この先、数mの滝。取り付くまでに濡れそうなので私だけ右側の巻き道を行く。しっかりとした巻道に邪魔な倒木…見たら、ブナハリで覆われている倒木だった。採って遅くなれば仲間に心配される。「お〜い、ブナハリどうしよう!」と叫んでも、滝の音で聞こえるわけがない。採らないと悔いが残ってしまうに違いない…すべて採り切って沢に戻る。心配し、大声で呼んでいた仲間に見せたら、相手がキノコだけに何も言わずに許してくれた。

 大石沢出合は明るくきれいだった。テントも一張ある。大きな釜を持つ滝は左壁から行く。魚止の滝は右壁を登る。天気も下り坂でガスが濃くなってきていた。体を極力濡らしたくないという思いが強くなってくる。この先、10m弱の滝で釜の左を巻くときに、ひとりが滑って胸まで水に浸かっていた…。

 二股近くになってくると、傾斜も強くなってくる。天気もガス+霧雨となっていた。二股の右俣上に良いテン場があったが、私たちは右俣をつめ源頭の草地まで行く。沢が細くなり左に曲がるところの草原でテントを張ることにした。ザイルは使わず終い。天気も悪かったせいか、ナメ滝のスケール、深い釜の美しさがあまり伝わってこなかった、というのが実感だった。

 黄葉は緑にほんの数滴、黄色を落としたくらいだった。晴れていれば素晴らしいのだろう。別天地なのだろう。ひとりが楽しみにしていた焚き火もボツになってしまう。夜は水の音だけ響いていた。



<テン場>

翌日もガス+霧雨。沢はもう源頭の様相ですぐに終り、草原の踏み跡を行く。ここも晴れていれば…考えると悔しいので、ひたすら歩く。すぐに稜線に鞍部に出、踏み跡程度の稜線上を行く。左はナルミズ沢の源頭部で草原が広がっている。1757mのピークから尾根は右に折れる。ジャンクションピークへは200mの登り。春に縦走した時にも急坂だと思ったが、正しく急登だった。

 ジャンクションピークで大休止。ここに「巻機山方面道なし…」とかいう標識が立っている。道がなければ標識なんて立てなければ良いのにと思ったが、やや立派な踏み跡が付いているので入ってしまう人がいるのかもしれない。

天気も悪いのですぐに下山にかかる。朝日岳一帯は池塘もある草原が広がっていて、立派な木道も敷設されている。また、沢近くまで下ると、そこにはうっそうとしたブナ林が広がっていた。キノコを探しながら歩くも、下りながらだとなかなか見つけられない。ナラタケをちょびちょび採りながらいく。

道は大石沢出合から沢沿いにいく。昨日遡行した沢だ。道は長靴が大正解、泥のぬかるみがひどい。キノコに目を光らせながら歩く。ふと脇の大きな倒木に目をやると、どしゃ〜〜ん!!とナラタケがたわわに付いている倒木だった。凄まじいという言葉が当てはまるくらいだ。ラッ〜キ〜〜!みんなで採っても大分時間がかかったほどの量である。それからブナハリも採れ始め、併せてものすごい量の収穫となった。

ウツボギ沢出合で昼食。ここで念願の焚き火をする。湿っている体に火は暖かい。みんなで囲みながら、採りたてのナラタケ入りの汁でソウメンを食べ、最高の気分だった。渡渉点に戻り、重いキノコの袋を手に持ちながら車に戻る。天気のせいなのだろうか…沢の記憶があまり無く、キノコのことばかりが残った山行になってしまった。秋色が深くなった晴天の日にもう一度入ってみたい沢である…キノコもあるかもね(笑)



<帰りの林道・キノコ袋を持ちながら歩く>